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コメディカル組織運営研究会

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no.94「組織づくりにおける人間愛」

 いつの間にか後輩が増え、気づいたらミドルマネージャーの立場になっていました。後輩指導だけでなく、組織全体のことについても考える機会が増え、会議で意見を求められることも増えてきました。職場である病院という組織における、コメディカル部門、リハビリテーション部門のあり方について理想はあるけれども、組織は様々な考えを持った人たちの集合体であり、理想に近づくのは容易ではありません。

 

 組織におけるリーダーとは何か、マネジャーとは何をすればいいのか、このようなテーマは常に私の頭の片隅にあるテーマです。そんなとき、「1兆ドルコーチ」という本を手にしました。この本は、スティーブ・ジョブズの師であり、グーグルなどのGAFA企業の経営者ら支えたプロ経営者ビル・キャンベルのことが書かれた本です。彼はアメリカンフットボールのコーチ出身でありながら、経営者であり、アメリカの大企業の創業者を支えたコーチです。この本に書かれていたビル・キャンベルの行動、信念で印象に残ったことは、“愛を持ってスタッフを全人的にサポートすること” “部下の幸せを一番に考え、大成できるように手助けすること” “よく耳を傾けること” です。そして最終的に目指す組織は、“欲は捨てて、チームを第一主義とするチームを作る”ことでした。

 

 当研究会でも、組織運営について定期的に学んでいますが、勉強すればするほど、上に立つ者は人格者でないといけない気がしていました。しかし、ビル・キャンベルは、とても人間らしく、怒ったり、慰めたり、文字通り叱咤激励しながらコーチングをしていく。もちろんコーチとして働く上で、“よく耳を傾ける” などのテクニックもあるのだと思います。ですが、心からスタッフのことを想い、幸せを願い、目標に導いていく。大事なのは人であり、その人を動かすのも人。組織というのは、究極の人間関係がベースにあるのではないかと思いました。

 

 コロナ禍で、飲み会ができず、職場の休憩時間でも個食・黙食を推進されている昨今。なかなかコミュニケーションが取りづらい時ですが、仕事の中でちょっとした会話を大事にし、よく話を聞こうと、この本を読んで改めて思いました。元々、医療者は人が好きだと思います。相手を理解しようと努力し、愛ある人間関係を作ることができたら、理想の組織に近づけるのではないかと思いました。

 

2021年6月11日

C.K

 

 <参考文献>

エリック・シュミット,他:1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え.ダイヤモンド社.2019

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