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no.86「訪問分野におけるコスト意識の教育」

 訪問看護の分野に携わって5年が経ちました。管理運営と人材育成を任されるようになり、悩む事がいくつか出てきているので、私の頭の整理のためにも書かせて頂きたいと思います。

 私の所属している訪問看護ステーションは、本社と6か所のサテライトにて運営しています。各事務所には看護師や理学療法士・作業療法士が配属されています。私は、各サテライトに顔を出して、スタッフの状況やご利用者の状況を確認し、本社の指示や他のサテライトの様子を伝え、会社とスタッフ、スタッフ同士のつながりを保つような業務を行っています。

 今年に入り、コロナの影響もあり、各サテライトへの訪問を制限せざるを得ない状況が出てきました。訪問の制限の代わりに、電話でのコミュニケーションを増やして対応していますが、十分フォローできていない印象です。

 特に感じているのは以下の内容です。

 ・伝えられる情報が少なくなった

 ・職員の考えや気持ちをキャッチしにくくなった

 ・雑談が出来なくなった

 ・会社の戦略の説明や指導など、相手に熱意が伝えにくくなった 等

 

  訪問看護は、病院や診療所に付属していない民間企業です。診療報酬とランニングコスト等のバランスから考えると、より営利を追求しなくてはならない法人となります。

 参考にさせていただいた専門書にも「利益を上げなければ、給料をいただくことはできない」と、シビアですが大切なことが述べられていました。

 そこでスタッフに求められるのは、コスト意識です。経営を安定させるためには、ただ訪問するだけではなく、営業活動を行い、新規の顧客の獲得をしていく必要があります。実際、お金や営業の話をすると、嫌がる人もいますが、ご利用者様に安定したサービスを提供するためには、安定した経営が必要となります。この事をスタッフひとり一人の意識に浸透させる必要があるため、コミュニケーションを取りながら、様々な角度より働きかけを行っています。

 そんな中、コロナの影響でコミュニケーションが減っているため、私の中で危機感を感じています。

 

 菅政権が誕生し、デジタル庁が発足しました。今後、どのように生活の中にデジタル化が浸透するのかはわかりませんが、医療や介護の分野にも、今よりももっと浸透して欲しいと考えています。スタッフの負担となっている報告書や事務作業にも、既にAIが入りつつあります。まだまだ人のチェックが必要ですが、業務簡略化に期待を持っています。

 デジタル化で事務作業の時間が減れば、その時間を利用して、スタッフと対話をしたいと思っています。手段はまだまだ考え中ですが…。 

 人の心を育てるのは、環境もありますが、最終的には「(近くで支えてあげる)人の心」だと思っています。理学療法士の私は、人の心を動かす仕事なので、その手段や発想を使ってスタッフの心を育てたいと思っています。そのスタッフが接するご利用者様も、やはり人なので…。

 

2020年10月15日

M.Y

 

参考文献

全国訪問リハビリテーション研究会 編:訪問リハビリテーション実践テキスト.青海社.2009

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