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no.121「仕事における自由度とは」

先日、今年度の定例会に向けたグループワーク課題;先輩が後輩を教育することが当たり前の体制にしたい の後、「仕事における自由度ってなんだろう」ということが、ふと頭に浮かんだので考えてみました。

 

「自由」とは、 他から制限や束縛を受けず、自分の意志・感情に従って行動する(出来る)こと。また、その様子。”  <広辞苑>

英語ではfreedomlibertyという2つの単語が挙げられますが、

freedom;(束縛・拘束のない状態を積極的に享有する)自由(の状態)、束縛のないこと

liberty;(束縛・圧制などからの)自由、(思想・行動などの)自由

<ジーニアス英和和英辞典>

 

仕事は与えられた業務だけではなく、ある程度自由な部分があるべきだと思うのですが、Forbes JAPANのウェブサイトに『リーダーは「組織の自由度」をどのように定めるべきなのか?』という西野雄介氏のコラムがありましたので紹介します。

「・・・。数十万人の組織でも3人のチームでも、どんな組織でもこの性善説と性悪説の間を行き来しながら、今の自分達に必要な自由度を調整していくことがリーダーの重要な仕事なのである。・・・。そこで意識するとよいのが、「原則・ガイドライン・ルール」からなる一つのフレームワークだ。

例えば、コロナ禍での働き方が終わりかける中で、オフィスに戻るべきか、在宅勤務可能にする

かの議論をする場合を考えてみよう。

原則:自由には責任が伴う。責任を果たしていれば自由である

ガイドライン:業績がよくない場合、出社をして周りから学ぶべきである

ルール:週3日の出社は必須である

この3つのうちどれを選ぶかは、チームの成熟度、ビジネスの競争環境等によって大きく変わっ

てくる。そして選んだ後にどんなカルチャーができていくかも違ってくるので、正しい選択をす

ることが極めて重要になってくる。」

 

私がグループワーク後に感じた、「仕事における自由度ってなんだろう」という思いを、この「原則・ガイドライン・ルール」の中に、当てはめてみました。

原則:公共性の高い医療では、組織として質の担保を果たしていれば自由である

ガイドライン:組織の質の担保を果たすためには、率先して教育すべきである

ルール:先輩が後輩を教育することが当たり前である

 自施設でどの段階を選ぶかを考えたときに、このようなフレームワークを使うのことも頭の中を整理するひとつの方法だなと感じました。

 

さて、ここでいう自由という言葉は、

「リハ専門職であるという前提がある中での自由・束縛がないこと(= freedom)であって、リハ専門職からの自由・解放(= liberty)ではないということ」

であり、公共性の高い医療の中で組織として質の担保を果たすこと、先輩が後輩を教育することが

当たり前な組織づくりが求められているのだと思います。

*質の高い医療を提供できる後輩がいれば、後輩から先輩へという双方向性があることは言うまでもありません

 

 最後に、松岡保昌氏の著書から、「社員がやる気を失っていく上司」に共通する10の問題と改善策の中に、「コントロールできる部分を与えない(1から10まで指示する上司)」という章がありましたので紹介します。

Aさんは上司からイベントのチーフを任され、最高のチームをつくりたいと意気込んでいた。そ

こで上司と打ち合わせをした際に、部下が仕事がしやすいように、失敗しないようにと手を出し

すぎたり、事細かに手順書を準備したりとAさんに考えるスキを与えない上司もいます。それが

じつは部下のやる気を下げていることに気づいていません。

改善策は、「内発的動機付け」を意識して、関わり方を変える。つまり、仕事をするなかで、「自分は○○ができている」という「有能感」が実感でき、誰かの指示や命令ではなく自分で決定し動かしているという「自律性」を感じ、同じ目標を目指す仲間との交流や刺激をし合う「関係性」を持つことが大切なのです。」と締めくくられています。

 

 組織として職員に対して自由度を持たせた働き方をと思う反面、失敗させたくはないなと、ついつい心配しすぎて手厚くしてしまうという、実際の現場ではよくあることかなと思います。なかなか難しいバランスのなかで職場での教育をしていかないといけないのだなと再認識しました。

 

2023年 12月 7 

O.H

 

参考文献:

Forbes JAPAN https://forbesjapan.com/articles/detail/66301

松岡 保昌:「こうして社員は、やる気を失っていく」日本実業出版社 2022

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