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コメディカル組織運営研究会

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no.26「実り多い会議にするために」

 会議やミーティングは組織を運営していく上で必須条件の一つと考えます。それぞれの職場において、開催の方法や形態を工夫されているかと思います。今から紹介するのは、ある職場で行われていた会議の風景です。会議開始は18時、会議の議題は当日、しかも会議開始後に提示される。議事進行は所属長が行い、参加した職員は所属長の顔色を伺いながら意見する。会議にかけられた議題は、所属長が思い描いている内容が出るまで永遠と続けられる。会議にかかる時間は平均して2時間程度。このような環境下での会議だと、疲労の方が先に出てしまい、前向きな意見も出にくいかと思います。

 会議にも種類があり、発表者が参加者に対して何らかの必要な報告を行う情報を共有するための『報告会』、集団で活発にアイデアや意見を出し合うだけの会議で、お互いに何を考えているのかわかり合うことを目的とする『意見交換会』、大小さまざまな議題が話し合われ、何らかの結論が導き出され、それに沿って実行される『意思決定会』の3つに分けられます。それぞれ会議の種類は異なりますが、理想的な会議の時間は30分と言われています。

 また会議では、参加する人間がそれぞれの役割を理解し遂行する事も大切だとされています。主に役割としては司会進行・事前準備を行う『司会者』、最終的な決定権を持つ責任者・上司が担うことが多い『決定権者』、課題に向けて自由に話し合うメンバーである『参加者』の3つに分かれます。責任者・上司の影響力は良くも悪くも絶大なため、『決定権者』が『司会者』を兼ねると、意見を出すよう話を振っても、『参加者』はなかなか口を開きにくくなるため、3つの役割はしっかり分けた方が良いと言われています。

 会議が円滑に行われるためには、司会者の役割が重要となり、事前準備では会議の「目的」「目標」「議題」を明確に提示すること、会議中は適度な緊張感が保てるよう会議中の雰囲気の調整、決定権者への配慮など環境調整能力が必要とされています。会議に限らず何事も事前準備、雰囲気作りが大切だと思います。そして会議もコミュニケーションの一環であり、張り詰めた雰囲気では良いアイデアはなかなか生まれないかと思います。

 会議の前提として、「会議は会議でしかなく直接お金を生み出す時間ではない」、「会議で決まったことを実行し成果を上げることが大事」、「会議の時間はとにかく効率よく最小化するのがベスト」と記載してある本がありました。時間の有効利用のためにも、会議は効率よく進めるべきだと思います。

 ちなみに、冒頭で会議風景を紹介した職場ですが、現在は会議を開催する前日までには議題が参加者に提示され、司会は所属長以外の者が担当し進められる。会議の時間は30分を目安に行い、長くても1時間程度。以前より意見も出るようになり会議として良い方向へ向かいつつあります。ただ一点、参加者達が上司の顔色を伺ってしまい多少萎縮してしまう習慣はまだ抜けきらないようです。

 

2015年9月1日 Y.T

 

参考および引用文献

 齊藤 正明:そうか!「会議」はこうすればよかったんだ.マイナビ新書,2014年.


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