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no.44 「多職種連携の実践を通して」

多職種連携の実践を通して

今年度から所属する大学で多職種連携論という授業を新たに開講し、主担当教員をしています。多職種連携教育とは2つ以上の専門職の学生が、効果的な協働を可能にし、医療効果を改善するために、ともに学び、お互いに学び合いながらお互いのことを学ぶこととされています。健康メディカル学部6学科共通の科目で、7職種(管理栄養士・精神保健福祉士・救急救命士・臨床工学技士・作業療法士・言語聴覚士・理学療法士)を目指す3年生が履修する科目です。まだ授業自体は第1回目しか行っていませんが、開講準備の段階から多くの課題に悩みながら行っています。

多職種連携は1970年後半英国でその必要性が高まり発展しました。本邦では近年の地域包括ケアシステムの拡充などにより特に注目されていると思います。職種を超えた連携は地域における生活期の段階ではもちろんのこと、保健・医療・福祉領域におけるすべての段階において必須なものであると認識されると思います。皆さんの地域の中でも事例検討などを通した勉強会などを行っている所があるかもしれません。

 多職種連携を阻害するものとして①周辺環境(専門職種間の権力格差・ジェンダー格差・組織の連結程度)②専門職自身(各専門職種の価値観や行動様式の違い)、③展開上の問題(連携に関する知識の欠如)が挙げられます。私自身臨床では、回復期リハ専門病院や訪問リハでの経験が多かったため、連携というものが知識として解っていたつもりでした。しかし6つの学科を超えた担当教員の意見をまとめ、授業の準備をすること自体に多職種連携の難しさを感じました。本学には医学部はないため権力格差は少ないのですが、職位の違いによる差であったり、各専門職の違いによる伝えたい内容の差であったり、授業の進め方であったり、よい意味で各教員が専門性を持っており、最終的に1つの授業にまとめる事それ自体がまさに多職種連携そのものでした。授業準備を通して感じたこととして、職種の役割の違いを理解することはもちろん、コミュニケーションをとること、リーダーシップをとることの難しさを、身をもって感じました。まさに「お互いに学び合いながらお互いのことを学ぶ」ことそのものであると感じます。臨床で働いている皆さんも、ぜひ多施設・多職種と協働して行う実践を行っていただければと思います。

これから14回授業がありますが、はたしてうまく授業が進行するのやら、不安と期待が混じった気持ちです。

J.Y

 

文献:北島政樹,医療福祉をつなぐ関連職種連携,南江堂,2013

野中猛, 図説ケアチーム,中央法規,2007

 

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