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no.51 「失敗の本質」

今回、私は「超入門 失敗の本質」という本を選びました。30年前の名著「失敗の本質」を簡単に解説している著書で、第二次世界大戦の日本軍の失敗から組織的な観点から分析して解説しています。

本書では戦略性・思考法・イノベーション・型の伝承・組織運営・リーダーシップ・メンタリティなどの説明がなされています。今回自分が気になったのはイノベーションというワードです。イノベーションという考え自体が医療業界にどのように結びつくのかがわかりませんでした。しかし、今回医療業界への足掛かりを少しつかむことができたのでご紹介します。

本書では、イノベーションのSTEPを以下のように紹介していました。

STEP1:「既存の指標の発見」

STEP2:「敵の指標の無力化」

STEP3:「新指標で戦う」

「既存の指標の発見」では、現状を見つめなおし分析することで自分達が何を目指しているのかを把握することです。「敵の指標の無力化」では、競争相手を分析することで新指標へのつながりをつくり、そして「新指標を作り、戦う」という内容でした。

本書の中では日本人は体験的学習には強いが、転換期への指標の変更「イノベーション」が苦手であるとあり、いつまでも同じ指標を追ってしまうことです。

現在の医療業界でも、医療費の増大による財政の圧迫、800万人もいるという団塊の世代が後期高齢者になる2025年問題など今までの医療情勢とは大きく異なる時代がきています。この転換期を今までと同じ指標を追ってしまうことは本書からすると失敗になってしまいます。そこで自分達が何を指標として医療問題に向かい合うのかを、現状分析しイノベーションすることが重要なのではないかと思います。

最後に、イノベーションの芽をつぶさない組織運営をしていくためには、過去の型の伝承ではなくスタッフと現場の問題点などを分析し、新たな指標を作れるような組織をつくることが大切であることも重要であると感じます。まだまだ医療業界は過去の型にとらわれる傾向が強いと日々感じています。

2017年月111日 TY

参考文献 

 鈴木博毅:「超」入門 失敗の本質.ダイヤモンド社 2012

 

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