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no.91「プロが心得ているマインドセットとは?」

 ある早朝のニュースで、水泳競技の池江璃花子選手が白血病から完全復活し50m24秒台で2位の成績を挙げ、とうとう50mバタフライで優勝と五輪出場の可能性があると報道がありました。池江選手は、闘病中から常に気持ちを前向きに並々ならぬ努力を一生懸命に重ね、プロアスリートとして夢に向かっています。個人的に池江選手の気持ちの前向きさに惹かれ、池江選手の報道が流れるとつい聞きたくなり、応援したい気持ちになります。池江選手だけでなくいろいろなプロアスリートから、逆境に立たされた時や失敗を起こした時に、どのように心がけるのか前向きな言葉がとても参考になります。

 

 マインドセットとは、心のあり方のことで、人の信念となるものを示し、人が信念を意識して対応するのとそうでないのとでは人生が変わってくると言われています。マインドセットには「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」の2種類あり、「硬直マインドセット」とは自分の能力や資質は石版に刻まれたように固定的で変わらないという信念、「しなやかマインドセット」とは自分の能力や資質はいくらでも伸ばせるという信念です。「しなやかマインドセット」が、上手くいかない時こそ、粘り強い頑張りを見せる特徴があるそうです。

 

 仕事では、リハ職であれば新人で仕事を覚えようと必死になり、独り立ちできるまでは一生懸命になり、はやく一人前になろうと努力すると思います。その頃は、いろいろと指導を受け、考え方を学び、なんとか成果を出そうと成長への意欲が高いと思います。しかし、ある程度の経験を積み対応が慣れてくるとそれ以上の努力をしなくなり、現状に満足する方もいるかもしれません。新人だけでなく、その分野の専門職や管理職や経営者でも、役割を持った当初は一生懸命であっても、時間とともに経験を得てマンネリ化がおこることもあるかもしれません。また、「人間は成長を妨げることを好む傾向があり、すでにある強みですぐに成果を挙げたくなり、必要なスキルを伸ばさなくなる。また人は褒められると受け取るが、欠点の指摘は受け取らない」そうです。今までの経験が自信となることが、一方で慢心にもなりえる可能性があります。今上手くいっている仕事や役割が、実は小さな問題を見失い、あとで大きな問題として起こるかもしれません。

 

 そのために、「しなやかマインドセット」を意識し心がけることで、常に自分自身や自分のチーム内を内省することが大事ではないでしょうか。プロアスリートは、わかりやすい言葉で「謙虚に・・・」「挑戦し・・・」「成長し・・・」など伝えています。アスリートだけでなく、偉大な経営者も同じ言葉を伝えています。つまり、プロは「しなやかマインドセット」が備わり、自身の取り組んでいる活動を通して、自身の内面を高めていく信念が言動や行動となり、結果が伴い、他者に美しく輝いているようにうつり、そして社会に感動を与えている、と私は思います。

2021年3月3日

H・M

<参考・引用文献>

#1. キャロル・S・ドゥエック、今西康子 訳:マインドセット「やればできる!」の研究 草思社.2016年1月

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