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no.110「コミュニケーション再考」

 後期、ゼミの学生がSVと学生にアンケート調査を行い、「臨床実習指導者が指導しやすい/しにくい実習生の特徴について」をテーマに卒業研究を行いました。彼らの興味の発端は、実習前は臨床実習では知識・技術が重要だと思っていたのですが、すべての臨床実習を終えてみると基本的態度が重要だった、つまり、基本的態度が良ければより多く学べるという実感であり、指導しやすい/しにくい実習生について研究することは、新人理学療法士になって働き、学び続けるうえでも役に立つと考えたことからでした。

 

 現在、査読が終わって、修正中ですが、結果は大変興味深いものであり、彼らの許可を得て、結果の一部を紹介します。

 記述回答をテキストマイニングによって分析したところ、SVは下記のように考えていました。

この結果から、「報連相ができる/できない」がポイントと言えますが、指導しやすい実習生はさらに素直に受け入れ、主体的に行動できており、指導しにくい実習生では、報連相ができないだけでなく、考えが分からなかったり、反応や態度が悪かったり、コミュニケーションそのものも取れていないという特徴がみられました。また、「報連相ができない」については、ゼミ学生は学生の記述や自分たちの経験から「報連相できないのは、できない人もいるし、SVは必要だと思っていても実習生は、これはいいかという自己判断でしない人もいると思います」と話していました。そして、これを踏まえて、彼らは指導しにくい実習生の特徴を「コミュニケーションが成立していない」とまとめました。

 

つまり、指導しやすい実習生はコミュニケーションが成立したうえでプラスαの行動があり、指導しにくい実習生はコミュニケーションそのものが成立しておらず、上述したように、実習生にどういう理由があれ、SVは報連相できないとみており、この状況はまさにミス・コミュニケーションの状態といえます。

そして、このミス・コミュニケーションは理学療法士になった後でも起こりうることですが、理学療法士として組織の一員ともなれば、上司やリーダーの期待値は大きくなるため、より深刻な事態になることは容易に推察できます。

 

一方で、言うまでもなく、未成年は誕生日が過ぎて、成人となっても急に変わるわけではないように、学生が実習を終え、国家試験に受かって就職しても、急にコミュニケーションが上手くなることはありません。ゆえに、新人を受け入れる上司やリーダーはミス・コミュニケーションが起こりうるものという心構えのもと、いくつかの対策を用意しておく必要があります。また、新人も「国家資格取得イコール一人前ではない」という謙虚さをもってコミュニケーションを図る必要があります。では、このように上司・リーダーと新人が注意していればミス・コミュニケーションが起きないかというと、慣れが出始めると、また起きやすくなります。

したがって、コミュニケーションを誰かと取る以上は、ミス・コミュニケーションが起きる可能性があるという前提で、丁寧なコミュニケーションを取り続けることになります。

 

今回は、可愛いゼミ学生の研究をもとにコミュニケーションについて考えましたが、実習生であっても理学療法士であっても、常に指導される/する立場ではなく、立場は状況によって変化します。また、この研究は小規模な調査によるものですが、自分や職場のコミュニケーションを再考してみる一つのヒントになればと思います。

 

臨床実習から帰ってきて、新たな気づきを経て、成長した学生を嬉しく思いつつ、自分のコミュニケーション能力について振り返り、卒業後、今回の結果をもとに可愛がられる新人理学療法士になってほしいと願った今年の卒業研究指導でした。

2022年12月10日

YI

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