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no.17「求められるコミュニケーション能力とは?」

最近調べ物をしていた時、たまたま目にした資料の中に、企業が新入社員に求める能力の第一位は「コミュニケーション能力」というものがありました。企業が求めるコミュニケーション能力とはいったいどういうものなのでしょう?

コミュニケーションとは、個人によって能力の差が出る行動の一つかと思います。私もそうですが、人前に立った時に何をどう話したら良いのか?今この話しを切り出しても良いのか?など悩んでいるうちに話すきっかけを失い、何も話せなかったという経験をお持ちの方は多いかと思います。そのような事が続くとコミュニケーション不足に至り、自分の思いや考えがより伝えにくくなります。

一般的ではありますが、良好な人間関係を築き上げるための基本として、まずは相手の話す内容に関心を持ち聴くという事が大切だと言われています。会話をしている中で、自分に関心を持ってくれているという姿勢が伝わってくると、自然と会話も弾んできます。そして何よりも大切なのは、お互いの価値観は違うという事を受容する事かと思います。育ってきた環境が違う人間が、共通の目標に向かって進む職場において、自分の考えに固執せず、相手の考えを受容し自ら歩み寄るという姿勢をとる事で良いコミュニケーションが生まれます。

ザ・ボディショップやスターバックスのCEOを務められた岩田松雄さんは、「言葉によるコミュニケーションというのは、氷山の一角であって、人が見ているのはその人の人柄であったり、経験や実績であったりと単純ではない」とも言われています。コミュニケーションと聴くと、言葉を介して知覚・感情・思考等を伝達するものと捉えられがちですが、実際は表情や姿勢、身振り・手振りなど非言語で行われているものも多くあります。それに加え、その人が今まで取り組みや、行動すべてがコミュニケーションになっていると考えられます。つまりその人自身が存在する事で、コミュニケーションは成立しているという事です。

コミュニケーションといっても、関係性構築・問題理解・表現などのいろいろな要素が含まれると言われています。企業が重きを置くコミュニケーションの要素は、それぞれが違うかと思います。もし私がこのコミュニケーションの要素を選ぶ事ができるのならば、確実に関係性構築の『相手を思いやる気持ち』という点を選びます。これは特別なものでなく家族や友人、その他いろんな場所で関わる方へ自然と行っているかと思います。この自然と行っている『当たり前』な事をいつでも行える力があれば、どんな相手とでも良好な関係を築け、状況を好転させる力になると思います。

最後に、今回このコラムをまとめる事で、自分自身の日々の行いを振り返る良い時間となりました。明日からの自分の行動を改めたいと思います。


2015/2/11 Y・T

 

参考および引用文献

 岩田 松雄:「情」と「理」話し方の法則.株式会社三笠書房,2014年.