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コメディカル組織運営研究会

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no.19「コーチングスキルと組織運営」

 コーチングスキルと組織運営

最近コーチングスキルについて考える機会が多いです。

コーチングスキルとは、コーチがコミュニケーションの中に「傾聴」「承認」「質問」を駆使してクライアントと目標を共有し達成へと後押しするスキルです。主役はクライアントであり、コーチはサポート役です。

言葉自体はスポーツのコーチング場面で聞くことが多いと思いますが、組織運営においても重要なスキルだと思います。

臨床では患者様に対して活用することがありますが、組織運営の視点では人材育成や人材の選抜の際に条件として必要だと思います。それは同じ「人間」対「人間」の関係だからかと思います。

コーチングスキルの有無によってその職場の雰囲気は大きく左右すると思います。例えば、患者様への適切なコーチングによって、患者様が目標をとらえ、生き生きとリハビリに取り組むようになればリハビリ室は明るくなるし、病棟も明るくなります。人材育成においては、スタッフの目標への気付きやサポートをすることで生き生きと業務に取り組むようになると思います。人材の選抜においては、コーチングスキルを適切に実践出来る人材を投与すれば、その組織は活性化されるのではないでしょうか。

また副産物として、組織のリスク管理の面でも、少しでも考えて行動できるスタッフを育てる事は、役職者が不在の時でも適切に対処できるようになります。

コーチングスキルは、皆さんの理想の病院・職場づくりに必要な要素かと思います。

ところが、実践するのは難しいのが現状です。

新入職員が臨床に出たときに必要なのは、大まかではありますがコミュニケーション能力と治療技術かと思います。二者を比べると、治療技術のほうが必要に迫られている事と指導し易い事より、治療技術中心の学習体系が組まれると思います。結果、コミュニケーション能力は後回しにされるため、その中にあるコーチングスキルの指導の機会は遅れてしまいます。

私の職場の新人教育では、バイザー制度を用いて教育を行っています。技術もコミュニケーション能力もOJT(on the job training)にてバイザーが総合的に指導していきますが、コミュニケーション(特にコーチングスキル)に対する具体的な指針に設けていません。そのため指導する側の能力に大きく左右されてしまうのが現状です。また指導する側の問題で、既にコーチングスキルを学習していて臨床には使っているが、後輩指導に活用出来ていない場面も見受けられるため、指導者側の意識改革も必要かとおもいます。

有能な人材を多く育てることは、変化の速い世の中に対応する力をつけることだと思います。私も少しでも多くの後輩を育てて、時代に対応できる安定した組織運営を目指したいものです。

 

2015年3月16日 Y・M