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no.58「仕事の基本とは」

 先日のこと、外来リハビリの予約変更のため訪れた患者さんに対する担当職員の言動を垣間見て思わず絶句した。

 運悪く担当職員の手はなかなか空かず、患者さんはしばらく待たされていた。ようやく手の空いた担当職員は、お待たせした事に対し詫びることもなく、何事もなかったように話し始めたからだ。そのとき「この職員にこれから仕事を任して大丈夫であろうか?」という不安な気持ちでいっぱいになった。そんな出来事があった帰り道、立ち寄った書店で『社会人1年目からの仕事の基本』という本に目が留まった。

 

 この本によると、仕事の力は計画立案能力・企画力・問題解決能力など、職位が上がるにつれ重要度が増す「コンセプチュアルスキル(考える力)」、話す力・聞く力を使い、説明・説得・交渉する力の「ヒューマンスキル(対人関係能力)」、所属する部署により異なり、営業ならば商品知識など重要度が高くこれらがなければ仕事が成立しない「テクニカルスキル(業務に必要な知識・技術)」、目標達成意欲やストレスに耐える力、粘り強さといった成果を出すために必要な「人間力」、これら4つの土台になる「ビジネスマナー」の5つの要素で構成されると書かれていた。

 

 いかに立派な柱を用いた建造物であっても、基礎が不安定ならば建物の強度は弱くなり傾いてしまう。ここで言う仕事の力も同様である。従来のビジネスマナーとしてよく取り上げられるものに「身だしなみ」、「挨拶」、「言葉づかい」、「電話対応」、「訪問/応対」、「ビジネス文書」などがある。そして最近では、「コンプライアンス(法令遵守)」、「個人情報や機密情報の取り扱い」、「スマホやSNSのマナー」なども重要視されているようだ。時代とともに基準は変わるが、マナーの大切さ変わらない。

 

 本書の中で「マナーは相手に対し敬意を表す言動」、「マナーは立派なビジネスツール」という一文を目にした。今回私が垣間見た職員の対応はどこまで相手に敬意を持った行動だったか?またこのような対応をしているのは、本当にこの職員のみなのだろうか?本件を通じて疑念と強い危機感を感じた。そして改めて職員教育のあり方や、自分の言動を見直す機会を得た。これから職場内の現状確認と改善を進めていきたいと思う。

  

2018年6月3日

Y.T

 

[引用・参考図書]

濱田秀彦:社会人1年目からの仕事の基本、ディスカヴァー・トゥエンティワン 2016

 

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