あけましておめでとうございます。
今年もコメディカル組織運営研究会をどうぞよろしくお願いいたします。
私は昨年末、はじめて新型コロナウイルス感染症に罹患しました。幸い重症化することはありませんでしたが、体調を崩してみて改めて、健康で働けることの大切さを実感しました。2026年は、無理をしすぎず、体調管理にも気を配りながら一年を過ごしていきたいと思います。
さて今回は、安藤広大氏の著書『数値化の鬼』を読んで感じたことを、少しご紹介したいと思います。
「数値化」と聞くと、どこか冷たく、管理や評価が厳しくなるような印象を持たれる方も多いのではないでしょうか。正直なところ、私自身もこれまで数値や指標に対して、あまり得意意識はありませんでした。しかし本書を通して触れた数値化の考え方は、そうしたイメージとは少し違うものでした。
本書で語られている数値化とは、人を縛るためのものではなく、うまくいっていることを皆で共有し、再現できるようにするための工夫だという考え方です。仕事が順調に進んでいる人の多くは、特別な才能があるというよりも、成果につながる行動を自然と続けています。ただ、その行動が経験や感覚のままでは、周囲に伝わりにくく、同じように実践することが難しくなってしまいます。数値化は、そうした行動を分かりやすい形にしてくれる手段なのだと感じました。
また、本書では「結果よりも行動に目を向けること」が大切だと繰り返し述べられています。実績や成果はもちろん重要ですが、それらは自分だけでコントロールできるものではありません。一方で、どれくらいの頻度で取り組んだのか、どの作業に時間をかけているのかといった行動は、自分たちで振り返ることができます。うまくいかなかったときに誰かを責めるのではなく、「やり方を少し見直してみよう」と考えるためのヒントが、数値の中にあるのだと思います。
数値は、評価や叱責のために使われると、どうしても身構えてしまいます。しかし本来の数値は、現場の状態をそっと教えてくれるサインのようなものです。何がうまく回っていないのか、どこに負担がかかっているのかを、感覚ではなく事実として示してくれます。それは人を責めるためではなく、仕組みを整えるための気づきにつながります。
良い数値化に必要なのは、立派さよりも続けやすさです。誰が見ても分かりやすく、定期的に確認できて、見たときに「次はこうしてみよう」と思える。そんなシンプルな数値で十分なのだと感じました。
医療の現場では、数字では表しきれない大切な価値がたくさんあります。その一方で、忙しさや工夫、努力を伝えるために、数字が助けになる場面も少なくありません。数値は冷たいものではなく、私たちの仕事を守り、次につなげるための支えにもなります。
『数値化の鬼』は、数字のテクニックを学ぶ本というよりも、数字とどう付き合っていくかを考えさせてくれる一冊でした。無理のないところから、少しずつ数値と向き合っていくことも、組織をよりよくしていく一つの方法なのかもしれません。
2026.1.5
T.Y
参考図書:安藤広大 数値化の鬼 ダイヤモンド社 2022年
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