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no.38「日本のリレーは、なぜ強いのか?」

 日本時間で8月22日に幕を閉じたリオデジャネイロオリンピック2016。日本のメダルラッシュの中、陸上男子4×100mリレーではついに銀メダルを獲得しました!

 

 個人の成績では劣る日本が、なぜ銀メダルを獲得できたのでしょうか?

 

 その最大の要因として、多くの記事でバトンパスに注目しているようです。日本で採用されているバトンパスの方法は、世界の多くの国の方法とは異なります。日本では2000年から採用され、議論を重ね、修正をしながら、ノウハウを蓄積してきました。その結果、メンバーが入れ替わっても、多くの国際大会で決勝まで残り結果を出してきました。

 メンバーが入れ替わっても、一定の結果を出せる日本のリレー。身近な組織に置き換えると、職員の入退職があっても、一定水準以上のサービスを提供できる組織。そのようなチーム作りが日本のリレーチームでは行われているということになります。

 

 では、「ノウハウを蓄積する」とはどういうことでしょうか?

 

 組織におけるコミュニケーションに関して、「ナレッジ・マネジメント」という言葉があります。これは、組織が集団として蓄えた知識(knowledge:ナレッジ)を体系化し提供していくためのプロセスを指します。このプロセスによって的確な情報が必要な時に必要な人に提供されます。

 

 今日、ナレッジ・マネジメントの重要性が高まっているのには次のような理由が挙げられています。

 

 ①多くの組織において、知的資産が重要視されている。集団としての経験や知識を迅速かつ効率的に活用できる組織は、競合相手に「知恵を持って勝つ」可能性が高い。

 

 ②(主に退職者の)自分たちが蓄えた豊富な知識を記録に残しておかなければそうした知識は失われてしまう、といった認識が高まっている。

 

 ③余分なものが削減され、組織の効率性が高まる。

 

 ナレッジ・マネジメントがうまく活用されると、従業員の知識が高まるため、組織の競争力と業績が共に向上します。活用するためには、まず簡単にアクセスできるデータベースを構築することが必要です。ここでは情報量が多ければよいということではなく、適切な情報のみを集めることが重要となります。次に、知識の共有を支援する組織文化が必要となります。しかし、知識そのものは個人の資産でもあり「武器」でもあります。その知識をいかにして共有していくのか、どこまで共有していくのかが鍵だと考えます。

 

 組織として、チームとして結果を出す。

 日本のリレーと同じように、強いチームをつくってみませんか?

 

 

2016年8月1日 N・T

 

参考文献 

・ スティーブンP.ロビンス,高木晴夫(訳):組織行動のマネジメント.ダイヤモンド社.2009年.

 

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