お問い合わせ

コメディカル組織運営研究会

事務局

e-mail:

co.medical5@gmail.com

no.60「オープン・イノベーションについて」

  先日、ホリエモンこと堀江貴文さんの「多動力」という本の中で、「あなたの貴重な時間を「情報」を得るために使ってはいけない。オープン・イノベーションにより、「情報」それ自体の価値はゼロになる」と書かれていたのが印象的であり、オープン・イノベーションとは何か調べてみることにした。

 

 オープン・イノベーションとは、モノづくり企業(メーカー)が、モノづくりの過程で見えてきた課題に対して、自分たちで解決することにこだわらず、必要に応じて社外から最適な策を探し出すことで、より迅速に課題を解決するための手段である。すべてを自社で解決する「自前主義」(クローズド・イノベーション)とは大きく異なる考え方であり、「スピードを優先し、自分たちだけで出来なければ、外部の知見を活用してでも何とかする」という狙いがそこにはある。

 これは、インターネットの普及により、世界中どこにいても、情報のやり取りが瞬時に行えるようになったこと、すぐれた技術を持つようになったこと、そして、2000年頃から技術を必要とする側と技術を持っている側を仲介する企業が相次いで設立され、技術の流通が加速したことなど、複合的な要因が後押しして、世界中で広がりを見せているとのことである。

 この仕組みを最大限に活用して研究開発を効率化し、実績を上げる企業の事例として、東レ株式会社(以下、「東レ」)と株式会社ファーストリテイリング(以下、「ファーストリテイリング」)の共同開発された機能性肌着「ヒートテック」や、「ウルトラライトダウン」が該当するとのことである。ファーストリテイリングにとっては、同社が有する販売チャネルや顧客知識をベースとして、同社で実現できなかった消費の作りこみを東レの技術資産に依存し、一方、東レにおいては、同社の持つ原材料から縫製まで繊維産業に関する一貫した生産技術をベースとして、ファーストリテイリングからの新たな顧客ニーズに対応するということで、双方がWin-Winになる形で実現したオープン・イノベーションである。

 

 もし所属している組織にオープン・イノベーションを活用していくならば、病院組織内で誰が何を知っているか、何に困っているかを把握し、仲介役として課題解決できるよう役割を担えたらと思う。それは組織におけるセクショナリズムの壁を、人の問題ではなく、仕組みとして解決できる手段の1つとして活用できるのではないかと考える。

 

 迅速に課題を解決する、それはある目的を達成するためであるが、お互いが協力し合い解決していく、そんな世の中が広がればいいなあと思う今日この頃である。

 

2018年8月3日

N.K

 

[参考・引用図書]

星野達也:オープン・イノベーションの教科書 社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ ,ダイヤモンド社,2015

堀江貴文:多動力 ,幻冬舎,2017

コメント: 0

皆様からのコメントをお待ちしています。

質問などにも一部お答えさせて頂きます。