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no.143「クォーターライフクライシス 若手社員の迷いに、組織はどう向き合うべきか」

 患者さんからの評判も良く、職員からも信頼されていた若手スタッフが、突然退職してしまうことがありました。退職理由より、「組織として何かできたのではないか」という思いがあり、今回のテーマとして取り上げることにしました。

 

 20代後半から30代前半にかけて、多くの若手社会人がキャリアや人生に対して漠然とした不安を抱える時期があります。これを「クォーターライフクライシス(以下、QLC)」と呼びます。社会の中で自分の役割を模索する中で、「このままでいいのだろうか」「本当にやりたいことは何なのか」といった問いが心に浮かぶような状況です。

 

 QLCに陥る職員の中には、他人の成功と自分を比較し、無力感を抱いてしまう方も少なくありません。他者のキャリアや生活を目にすることで、「自分だけが取り残されているのではないか」という焦りや劣等感が生まれることで、自己肯定感の低下につながり、最終的には退職という選択に至るケースもあります。この現象は、個人の性格や価値観だけでなく、職場環境や組織文化とも深く関係していると考えられます。特に、評価制度が不透明であったり、成長の機会が限定されていたりする場合、若手社員は「頑張っても報われない」と感じることが考えられます。

 

QLCに対し、組織ができる支援策としては、以下の3つが考えられます。

1. 役割と達成基準の明確化:職員一人ひとりに求められる成果や役割を具体的に定義することで、努力の方向性が明確になります。これにより、他者との比較ではなく、自分自身の成長に焦点を当てることが可能になります。

2. 成果に基づく公平な評価制度の導入:年功序列や主観的な評価ではなく、客観的な成果に基づいた評価を行うことで、納得感とモチベーションが向上します。「頑張っても意味がない」という無力感を軽減することができます。

3. 自己認識を促す支援:キャリア面談やメンター制度を通じて、自分の価値観や目標を明確にする機会を提供することで、他者との比較ではなく、自分自身の軸で判断できる力を育てることができます。

 

 支援策を踏まえ、仕事という観点だけでキャリアを考えるだけでなく、職員自身の本質的なキャリア(例:価値観、好きなこと、得意なことの洗い出しなど)を振り返る支援も必要だと感じています。

 QLCは、若手職員が自分の人生を問い直す貴重な時期です。組織がその問いに寄り添い、適切な支援を行うことで、迷いは成長の種となり、無力感は希望へと変わっていくのではないでしょうか。

 

2025年11月7日

 N.K

 

参考:LinkedIn Corporation「New LinkedIn research shows 75 percent of 25-33 year olds have experienced quarter-life crises」

 

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