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no.75「心」

 今回、私は京セラを設立した有名な稲盛和夫氏の「心」を手にとりました。稲盛氏はこれまでにたくさんの著書を書いていらっしゃいますが、恥ずかしながら稲盛氏の著書を手にしたのは初めてでした。なぜ、この本を手にしたのか、自分でも考えてみました。リーダー論や教育論、経営論など様々ある中で、人を動かすものは何なのか。もしかしたら、自分自身が何か答えを探していたように思います。

 

 本書の中では、稲盛氏が京セラを設立し、JAL再建などの過程の中で大切にしてきた事を綴っています。それは題名でもある「心」でした。会社の設立や再建をする際にも、皆が同じ方向を向けるように“思い”という心を社員と共有していたとありました。この“思い”は言い換えればビジョンであり、自分達が向かう指針ではないでしょうか。組織運営を勉強していく中でもビジョンの重要性を感じています。ビジョンを作るとき、自分達の専門職としての“思い”は何なのか。スタッフで共有する核となるものは何なのか。今一度考えさせられました。最近、日本理学療法士協会の中で「働くうえで重要なものはなにか」についてのアンケート調査がありました。その中で最も多かったのは「やりがい」という答えでした。やりがい・・・。それは“思い”なのかもしれません。それを管理職として形にすることが我々の課題なのかもしれませんね。

 

 また、本書では、苦境の時でも利己的にならず、利他の心を持ち、あきらめないで未来を信じて進めば神のささやきが得られるとありました。神のささやき・・・。要するに良い事が起きるとのことです。これは自身の解釈ではありますが、U理論の中で「イノベーション」を行うには内省を行い源(ソース)にたどり着くことに似ていると感じました。言葉の違いはありますが、利他の心を保つには内省を行うことが大切であり、今の問題を様々な利己的な考えを保留することで問題の根源が見えてくるのではないかと思います。管理職として、セラピストとしてスタッフや患者様・利用者様と真摯に向き合うことでイノベーションが生まれるのかもしれません。

 

取り留めのないコラムを読んでいただきありがとうございます。よかったら稲盛氏の『心』を手に取ってみて下さい。

 

2019年月11月6日

T・Y

 

[参考図書]

稲盛和夫:心.サンマーク出版 2019年

C・オットー・シャーマー:U理論.英治出版 2010年

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