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no.57「リーダーシップと信頼と権限」

 先日、職場で「リーダーシップ研修」の総括を行った。リーダーシップ研修は年間を通して行われ、スタッフにリーダーシップを身に付けてもらうことが狙いだった。研修の総括では各々、リーダーシップの実践を通して得られたものを発表する機会があった。自分なりにリーダーシップについて腑に落ちた内容を発表出来たと手応えを感じたのだが、反応があまりに薄く悲しかったため、この場を借りて再発表させていただく(涙)。

 

 まずは定義。リーダシップの定義は多々ある。適当にネットを検索すると、「リーダーシップとは集団の目標達成のために、各メンバーが最大限の成果を発揮できるようにマネジメントすることを指す。」などと出てくる。これではマネジメントとリーダーシップの違いがわからない。

 

 そこで自分で定義について定めてみた。「事象Aが事象Bとなる際に働く意図を持った力学のこと。事象Aは何かの影響がなければ事象A’となる性質をもつとする」。

 

 つまり意図を持って対象に影響を与えることをリーダーシップと定義した。このリーダーシップの概念から、私はリーダーシップを発揮するには「信頼」と「権限」が重要であることと、扱える事象は3タイプあることに気づいた。扱える「事象」と「信用」・「権限」を表にすると以下のようになる。

 

 

 事象は「自分(一人称)」「相手(二人称)」「組織(三人称)」に分けた。つまり自分に対してリーダーシップを発揮するのか、相手に対してなのか、組織に対してなのか、だ。そしてそれぞれの事象はリーダーシップを行う前提として信用と権限の必要度合が異なる。自分にリーダーシップを発揮するのであれば、自分の能力に対する信用は必要であるが、第三者からの権限は必要ない。相手に対してリーダーシップを発揮するのであれば、自分に対して発揮する場合よりも、信頼が重要となる。また場合によるが権限は不要のことが多い。そして組織に対してリーダーシップを発揮するには信用と権限が高いレベルで必要とされる。これが私がリーダーシップに対して(超個人的に)考えたことだ。

 

 これではわかりにくいのでそれぞれ具体例を示す。自分に対してリーダーシップを発揮する場面として、転職を考えてみる。急性期の病院で勤めるのか、訪問リハビリとして働くのか。自分の能力に対する信用が低ければ、選択肢は減る。しかし転職などの自己における意思決定に関係するのは、自分のみなので第三者の権限は必要としない(配偶者が高給を望み、権力が強い場合などはこの限りではないが…)。

 

 次に相手に対するリーダーシップについて考えてみる。単純な相談から、メンターとしての教育などが当てはまるだろう。相談にのり、相手を望ましい方向に導くには、「この人であれば相談してもいい」という信用が重要である。信用がなければそもそも相談は来ない。このような単純な相談であれば権限は必要としない。しかしメンターとして教育を依頼された場合は、どの程度まで教育をしてほしいのか、という上からの権限譲渡が必要である。

 

 最後に組織に対するリーダーシップについて、例えば所属する組織の教育計画を充実したものにしたいと考えるとする。組織のメンバーからの信用は必要である。なぜなら信用されていない人間の言うことには従いたいと思わないからだ。しかし組織に対するリーダーシップでは信用よりも「権限」が重要である。どれだけ意志が強く、信用が高くても、上から教育計画作成の「権限譲渡」がなければ、計画をつくることは難しい。

 

 以上のように、リーダーシップは対象によって「信用」と「権限」の度合が異なるというのが私の主張である。どうすれば「信用」と「権限」を得られるかについては、またの機会に記したいと思う。(とても個人的な見解ですので、お手柔らかにどうぞ。汗。)

 

2018年5月10日

R.T

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