コメディカル組織運営研究会
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数年前、私は手術と療養のために約2か月間仕事を休んだ時期があります。入院前には仕事を引き継ぎましたが、組織は滞りなく回るだろうか?私が居ないと困ることがあるのではないか?と思っていました。しかし、仕事に復帰した後、『人の上に立ち続けるための思考法 とにかく仕組み化』安藤広大(ダイヤモンド社,2023) という書籍を手に取り、自分の考えが甘かったと反省することになりました。
当初は、仕組み化で組織が円滑に回ることを説明してくれるのかな?と思い、読み始めました。しかし、中身は「人」をどう動かすか、という本質的な話で、「必要な恐怖」「絶妙な危機感」など、一見厳しい言葉の中に真理があると感じさせる一冊でした。
本書では「性弱説を前提に考えたほうがいい」「組織は放っておくと属人化していく」という点を押さえて、とにかく仕組み化するための5つの考え方を示しています。
ステップ1「責任と権限」→決めたことを守り切るようにすること
ステップ2「危機感」を利用する→正しい恐怖を感じ続けるようにすること
ステップ3「比較と平等」に気をつける→正しく人と比べる環境を整えること
ステップ4「企業理念」を再認識する→自分がどこに向かっているかを迷わないこと
ステップ5「進行感」を感じる→他者と共に大きなことを成し遂げること
私は全てには同意できませんでした。しかし、印象に残るフレーズがたくさんあり、それは自分自身の仕事の仕方の弱点や改善すべき点を指摘されていると感じました。
印象に残ったフレーズをご紹介します。
・「組織の中で変えがきくようにしておく」という人が逆説的に優秀なのです。
・新しい仕組みを取り入れるときの判断軸は一つです「ちゃんと成長したい人が成長できるかどうか」
・「ここだけのルール」を許していないか?
・「全員の納得」を得ようとしていないか?
・「いつかラクになれる」という発想そのものが、錯覚です。
・同じ部署で同じ業務を続けていると「属人化」が生まれてしまう
・人を責めずに、ルールを責めるべきです
他にもたくさんの印象深いフレーズがあり、私は本書を読んでから、属人的な組織の動き方の中でもがき、苦しむよりも、仕組みに目を向けることで冷静に対処できることが増えた気がします。各々に刺さるフレーズは違うと思いますので、一読されることをおすすめします。
「あなたがいないと困る」この言葉は麻薬だ。
冒頭に記載されている一文です。
自分がいなくても困らない仕組みを作り、仕事を手放せるようにすることが自分を成長させ、部下も組織も成長するために必要なことだと思わせてくれる一冊でした。
2025.6.8
H.M
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