お問い合わせ

コメディカル組織運営研究会

事務局

e-mail:

co.medical5@gmail.com

no.90「できるリーダーとは・・・」

 中間管理職の立場で働いている方は、臨床業務をしながら管理業務においてスタッフ育成、目標管理など数多くの悩みを抱えて仕事をされていることと思います。私が当研究会に入会したのは、中間管理職としてのリーダーシップの在り方に不安があり、「リーダーとは何か」について学びたいと思ったことがきっかけです。皆さまの中にも「リーダーって何するの?」と思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回、「できるリーダーがやっていること」について紹介いたします。

 

 できるリーダーがやっていることで印象に残ったことは、「仕事の任せ方」です。

 「任せる」とは、スタッフが行っている作業を具体的に答えられ、さらにスタッフが感じる不便・不安・不満を「事実」で答えられることです。これが、スタッフがやっている作業内容を曖昧に把握し、スタッフが感じる不安や不満を憶測でしか答えられない状況は「放任」となります。部下の意見を尊重したいと考える上司ほど、細かい指示を出さず、スタッフに仕事を任せやすいようですが、スタッフからは「放任されている」と意見が上がることがあるようです。

 

 具体的にできるリーダーの仕事を任せる際の注意点としては、①リーダーは、部下に任せた仕事は失敗や裏切られても自分の責任と覚悟を決めることです。期待すべきはスグの結果ではなく、その人のノビシロです。②リーダーは自らの経験を封印し、部下に経験させる。リーダーが経験を使ってうまく行っても未来への投資にはなりません。部下に経験させ、自身を持たせることで未来への投資になります。③新人に任せる際は、「一緒に、丁寧に」のスタンスです。やる内容だけでなく、具体的な進め方、不安な点などの確認を含めて丁寧に任せます。④リーダーはあえて失敗談を語る。スキのないリーダーでは、部下の主体性を引き出すのは難しいため、丁寧さに加えて自ら失敗談を語ることで安心感を引き出すことができます。⑤トップダウンとボトムアップを使い分ける。やるべきこと(方針)はトップダウンで決め、やり方(方法)はボトムアップで任せます。ボトムアップで部下の意見を聞くことで、上司の経験の発想を超える意見が生まれてきます。

 

 仕事を任せるというのは、スタッフの能力を把握し、進捗を確認することが必要になるため、自分で行うより大変な作業に思うかもしれません。しかし、「任せる」ということで、スタッフとの信頼関係が構築され、任されたスタッフのやる気が高まり、責任感を持ち仕事に取り組んでくれると思います。また、スタッフに任せることで、リーダー自身も時間を作ることができるため、別の作業や課題に取り組むことができます。

 

 

 今回、できるリーダーがやっている「仕事の任せ方」について紹介しました。コロナ禍でスタッフ教育も大変かと思いますが、数年後を見据えて、今一度、スタッフと一緒に、丁寧に仕事を任せているか振り返るのはいかがでしょうか。

2021年2月1日

T・Y

<参考文献>

伊庭正康 できるリーダーは「これ」しかやらない PHP研究所 2019年

コメント: 0

皆様からのコメントをお待ちしています。

質問などにも一部お答えさせて頂きます。