コメディカル組織運営研究会
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先日、理学療法士協会より送付されたJPTA NEWSの特集「理学療法士としての“働き方”一緒に考えてみませんか?」のアンケート調査で、働く上で最も重要と答えていたものが「やりがい」でした。
「やりがい」とは、事に当たる際の充足感や手応え、張り合いと言われています(実用日本語表現辞典)。このやりがいを表す概念として、「エンゲージメント」があげられます。
エンゲージメントとは、組織や一緒に働くメンバーに対する愛着があることと、仕事の内容自体にも主体性を持てていることの両方を含んだ定義とされています。アップルやグーグル、ディズニー等、市場から評価が高い優良企業がエンゲージメントをこぞって重視しています。
エンゲージメントが注目されている背景として、大きく3つあります。
1つめは、バブル崩壊後長期不況の頃より、企業が個人を選び、一生囲い込んでいた時代から、個人が企業を選び、渡り歩く時代に変化したことがあげられます。
2つめは、変化が激しく、仕事の中でより創造性が求められるようになったことです。先輩職員がやっていることをそのまま踏襲すればうまくいくという時代ではなくなり、経営者も先輩社員も「正解」を知らず、ゼロからイチを生み出すことが求められています。
3つめは、組織のパフォーマンスに影響をもたらすことが検証され、エンゲージメントが高いチームは、収益性、生産性、顧客満足度が高く、品質の欠陥、離職率、アクシデントが低いという相関が明らかになっています。
しかし、日本はエンゲージメントが低い国であると言われています。理由として、心に響くビジョンがない・ビジョンで人を選んでない、コミュニケーションスタイルの質的特徴(上から下に伝える文化が強い)、下積みから始める人材育成(旧来の製造業的モデルにより、リーダーになり得る資質のある人材を育てにくい)ことが要因として挙げられています。
エンゲージメントを高めていくために、マネジャーやチームリーダーが求められる資質として、ビジョナリーであること、深い対話が出来るコミュニケーション力、人間関係・信頼関係を築く力、つまり人間性がとても大切だと考えられます。
これから定例勉強会でティール組織について研鑽していますが、組織づくりを考えるにあたり、エンゲージメントがkey wordの1つになるのではないかと感じました。
人生の目的・目標は何ですか?
仕事ではどんなことにやりがいを感じていますか?
まずは、施設で働くメンバーに聞いてみることから始めたいと思います。
2019年8月1日
N.K
参考文献
新居佳英,松林博文:組織の未来はエンゲージメントで決まる,英治出版,2018
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