コメディカル組織運営研究会
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人を活かしたい―これは最近の私の目標です。
人にはそれぞれ、好き嫌いや得意不得意があります。それをうまく活かすことで、その人自身の成長や活力につながり、さらに職場の組織にも良い影響を与えるのではないかと考えています。「適材適所」という言葉がありますが、私はそのような職場環境をつくりたいと思うようになりました。
「人を活かす」ための知識や具体的な方法を学びたいと考え、探していたところ、一冊の本に出会いました。それが『人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書』です。まさに求めていた本だ!と感じ、さっそく読み進めました。
本書は、組織において「人」という資源をどのように大切にし、組織を築き、変えていくかについて述べられた本です。特に、チーム経営責任者に求められる能力が中心に書かれています。その能力は以下の7つに分類されています。
1. キャリア支援力 (人的資本の視点でキャリアを支援する力)
2. 強み発見力 (本人も気づいていない強みを見出し活かす力)
3. 仕事アサイン力 (強みに応じて仕事をカスタマイズする力)
4. チームビルディング力 (フラットで風通しのよいチームを作る力)
5. 人材獲得力 (人材を自らも獲得していく力)
6. オンボーディング力 (新メンバーの加入でチームを活性化する力)
7. 全体俯瞰力 (会社の経営戦略とチーム状況をスピーディーに把握する力)
さらに、これらの能力を発揮するための具体的なスキルについても解説されています。
本書を読んで、私がこれまで学んできたことと重なる部分も多く、理解しやすく納得感のある内容でした。特に「強み発見力」は、私が考えていた「適材適所」という考えを明確に言語化したものであり、非常に共感しました。その章には「強みが活きる環境を探す」と書かれていましたが、本人が自ら探すだけでなく、管理者が個々の特性を見極め、最適な環境に配置することも重要だと感じました。
また、「仕事アサイン力」に関して、「ルールとセットで権限移譲する」という考え方も印象的でした。管理者として、最低限のルールや守るべきことを明確にしたうえで、業務を部下に任せる。ただ丸投げするのではなく、ルールを決めることで、業務の精度と安全性を高められるのではないかと感じました。私はまだ部下に業務を振る機会は少ないですが、今後はこの考え方を意識して取り組みたいと思います。
さらに、本書を通じて新たな発見がありました。それは「キャリア支援力」の考え方です。キャリア形成には「山登り型」と「川下り型」があるという話が特に興味深く感じました。
山登り型とは、目標を設定し、それに向かって努力するスタイルです。私はこれまで、目標がないと頑張れないタイプで、常に山登り型のキャリアを歩んできました。しかし、目標に到達した後や、目標を達成できなかったときに、行き詰まりを感じることもありました。そうしたときは、新たな刺激を求めて新しいことを始めたり、勉強したりしながら模索してきました。
一方、川下り型とは、「自分の価値観を大切にしながら、目の前の仕事を丁寧にこなす」というスタイルです。降りかかってくる仕事に柔軟に対応しながら、流れに乗るように進んでいくというイメージです。これまでの私にはあまりなじみのない考え方でしたが、このようなキャリアのあり方もあるのかと、目から鱗が落ちる思いでした。
本書では、山登り型・川下り型のどちらが優れているということではなく、どちらの考え方も認めることが大切だと述べられています。明確な目標がなくても、川下り型で仕事に取り組む人がいることを理解しました。同時に、自分が行き詰まったときには、この考え方を取り入れるのも一つの方法だと感じました。
この本を通じて、改めて「人を活かす」ことの重要性を実感しました。学んだ内容を実践し、より良い職場環境をつくるために活かしていきたいと思います。
2025年3月6日
C.K
引用文献:上林周平「人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書」
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